丸紅と米LO3 Energyは2月20日、両社共同で日本国内におけるブロックチェーン技術を用いた電力取引に関する実証実験を開始すると発表した。実験には専用モバイルアプリを使用する。

電力業界では、世界的に 3D(Decarbonisation:脱炭素化、 Decentralisation:分散化、 Digitalisation:デジタル化)の潮流が進んでおり、ポストFIT (固定価格買取制度)時代を迎えるにあたり、再生可能エネルギー発電を中心とした分散型電源を保有した需要家(プロシューマー、生産者と消費者を組み合わせた造語)が発電した電力を自由に売買する時代の到来が想定されている。

分散型電源から発電した電力とプロシューマー、または電力消費者との取引には中央管理者を排除したpeer-to-peer取引を可能とするブロックチェーン技術が適しているという。

実証実験では、電力消費者(国内複数箇所の丸紅グループ施設および丸紅新電力の顧客先)と発電源(丸紅の国内保有発電所)にブロックチェーン機能搭載メーターを設置。メーターを設置することで、発電源で発電した電力を電力消費者がバーチャル市場経由で購入したい価格を専用モバイルアプリで設定し、購入することを模擬的に実施する。

LO3 Energyは、ブロックチェーン技術を活用した電力取引プラットフォーム構築し、実証実験を通じ、グローバルな知見を生かし世界展開を進めていく。

丸紅の電力本部は同実証実験を通じて、ブロックチェーン技術を活用した事業構築に係る知見を深め、再生可能エネルギー等の普及や社会貢献性の高いサービス・商品開発を目指す。