キーサイト・テクノロジーは2月20日、5Gや衛星通信におけるミリ波通信の開発・利用の促進を可能とする最大44GHzの信号と2GHzの無線周波数(RF)変調帯域幅をサポートしたデュアルチャネルマイクロ波信号発生器「VXGシリーズ」を発表した。
同シリーズは、フォームファクタとして10.6型のタッチパネルを搭載した「M9384B VXG」ならびにPXIe規格に準拠した「M9383B VXG-m」の2種類を用意。2機種ともに、性能は同じで、用途に応じた選択ができる。
いずれも1筐体で2chに対応しているため、位相コヒーレントを容易に実現することが可能なほか、正常な信号と妨害信号を1つのコントロール下で発生させたり、水平偏波と垂直偏波を同時に出力するといったことも容易に行えるようになる。
また、28GHz/+10dBm時で1.0%のエラーベクトル振幅(EVM)ならびに、28GHz/100MHz帯域幅で-50dBcの隣接チャネル電力比(ACPR)性能を実現しているほか、標準オプションとしてケーブルやコネクタが持つ成分を除去することでフラットネスの実現を可能とする機能を用意。また、ケーブルのSパラメータが分かっているのであれば、それを登録することで、信号源の補正機能として活用することも可能になったという。
2機種ともに受注はすでに開始しており、価格はタッチスクリーンモデルのM9384B VXGが2800万円(税別)から、PXIeモデルのM9383B VXG-mが3000万円(税別)から、となっている。
なお、キーサイトは5G基地局(gNB)向けにコンフォーマンス/プレコンフォーマンステストソリューションを提供しているが、今回発表されたVXGを活用することで、ソリューション構成の簡略化や性能向上が可能となると説明している。