アビームコンサルティングは、レース中のドライバーからの問いかけに対し音声で回答するシステムとプログラムを開発し、特許を取得したと発表した。

このシステムは、レース中のドライバーからの問いかけに対し、同社がが独自開発したレーシング解析プラットフォーム上に蓄積されたデータをAI技術を活用してリアルタイムで分析し、車両制御に必要な情報を音声で回答するもの。

具体的には、「後ろの(車の)ペースは」といったドライバーやエンジニアからの無線を介した問いかけに対し、後続車両の周回ペースや速度を計測し音声で回答する。

過去のレーシングデータや車両から得られる速度や位置、タイヤの摩耗情報などのセンシングデータなどから、ドライバーからの問いかけパターンに対応する情報のみを抽出・分析し、回答を自動で導き出す。

さらに、車両の燃料残量をもとに、残りの走行可能距離を分析するなど、状況に応じたシミュレーションを行う。

また、スポーツだけでなく、リアルタイムなデータに基づく意思決定や業務担当者へのタイムリーな情報提供により様々な改善やビジネス拡大が見込まれるビジネス分野での活用も可能だという。

例えば、販売データと在庫データから在庫切れを起こすリスクを分析し、担当者へ通知することで在庫補充や価格変更といったアクションを早期に促す仕組みや、製造ラインにおけるエラー通知およびライン停止による損失額の自動分析・通知などが可能だという。