2018年は世界の平均気温が観測史上4番目に高い年だった、と世界気象機関(WMO)や米航空宇宙局(NASA)、米海洋大気局(NOAA)が最近相次いで発表した。4年連続の記録的な高温で世界的な温暖化傾向に歯止めがかからない状態であることがはっきりした。
WMOによると、2018年の世界の平均気温は産業革命前の基準とされる1850~1900年平均より1.0度高く、14.68度。観測史上最高の平均気温を記録した2016年ほどではないが、 同じ温度で 2番目、3番目となる15年、17年に次いで4番目に高かった。2015年から4年連続で記録的な高温が続いたことになる。また、観測史上気温が高かった年の上位20位がこの22年間に集中しているという。
NASAも、2018年の世界の平均気温は1951年から80年までの平均より0.83度高く、1880年代以来1度上昇した、と発表。「温暖化の大部分は温室効果ガス排出量の増加による」と断定している。またNOAAは、2018年の世界の陸地と海面を合わせた平均表面温度は20世紀の平均と比べて0.79度上回っていた、と発表した。
WMOのターラス事務局長は「2018年の異常気象は多くの国や何百万人もの人々に影響して経済と生態系に壊滅的な影響を及ぼした」とコメントしている。
温暖化防止の国際的枠組みのパリ協定は、今世紀後半に温室効果ガスの排出を実質ゼロにし、産業革命前からの気温上昇を2度未満、できれば1.5度に抑えることを目指している。今回の発表データは既にこの目標の半分以上、温暖化が進行してしまったことを示している。
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