三菱電機は13日、事前の機械学習なしに人の動作の違いを見つける独自の行動分析AIを開発したと発表した。工場などの生産現場での手順の違いや無駄な動作の検出など、個別の作業改善による生産性向上が期待される。

小規模な装置でも高い推論精度を維持し、演算量を減らすことを開発の目的に掲げる同社AI「Maisart」(マイサート/Mitsubishi Electric's AI creates the State-of-the-ART in technology)が活用される「行動分析AI」は、人の動きを計測した位置データから境界を推定、一人ひとりの標準動作パターンを決定してわずかな手順の違いや無駄な動作を検出するという。

事前学習や教師データ作成の必要がなく、数秒から数分という瞬時での高速処理など実用性の高さがうかがえるが、同社では自社工場の試験導入を通じて実用化開発を進めるとともに、工場以外の分野での適用を検討していくとしている。

  • 「行動分析AI」の概要(同社資料より)

    「行動分析AI」の概要(同社資料より)