NECは2月6日、アジア太平洋研究所(APIR)およびNTT西日本と共同で、グランフロント大阪においてICT・IoTを活用したスマートシティの実証実験を開始したと発表した。
同社は、2月1日から3月24日までの予定でグランフロント大阪北館に各種センサを設置し、混雑度・群衆流量の把握と異常音の検知に関する実証実験を行っている。また、NTT西日本が提供するIoTプラットフォームと連携し、安全・安心なまちづくりのための仕組みを検討する。
混雑度と群衆流量の把握には、NECの「群衆マネジメントソリューション」を利用。同施設の主要通路やエスカレータ付近など6カ所にカメラを設置し、映像を分析することで、混雑状況や人流をリアルタイムに把握する。これにより、警備員配置や避難誘導の最適化などに活用する。
異常音の検知には、NECの「音状況認識技術」を使用し、同施設内の1カ所に複数の音センサ(マイク)を設置。音量・音質などを分析することで、破裂音、ガラスが割れる音、悲鳴などの異常音の検知やにぎわい度の計測をリアルタイムに実現し、事件・事故の早期発見・解決を図るという。
なお、NECが同実証実験においてカメラで撮影した映像は、来街者の人数、混雑度、移動方向の推定データ生成し、分析後に破棄する。また、顔や容貌などの特徴検出(顔認証など)は行わないとしている。
音センサで収録した音情報は、音量・音質の特徴量に変換した上で、異常音の検知やにぎわい度の計測後、センサ内で破棄し、プライバシー保護に配慮した仕組みを実現しているという。