AvePoint Japanは1月30日、働き方改革に取り組んでいる企業向けに、最新の情報と技術を紹介するイベント「Digital Workplace Conference 2019 (DWC2019) 」を東京・御茶ノ水で開催。
このイベント中で、米Microsoft Microsoft Teamsプラットフォーム リード (プロダクト マーケティング) Jace Moreno氏が、「AI/Botを活かす Microsoft Teamsの運用で、一歩先のモダン ワークプレースを手に入れる」と題して、自身が所属するチームがTeamsをどのように活用しているかを紹介した。
同氏は、「ワークプレイスはよりモバイルになっており、さまざまな世代が一緒に働いており、チームベースの業務が増えている。そのため、テクノロジーによって新たなモダンワークプレイスを作れるかが関心事になっている。エンタープライズ企業では、業務時間の20%を情報探しに費やしているという調査結果や、情報過多で重要な情報を見逃してしまうことがあると回答したマネージャは59%に上るという調査もある。これに対して、マイクロソフトはどんなヘルプができるのか。そのために提供しているのが、Microsoft Teamsだ」とMicrosoft Teams(以下、Teams)を紹介した。
同氏はTeamsを利用するメリットとして、既存のアプリやサービスを組み込み統合できる点、既存のアプリをTeamsの中で拡張できる点、また、複数のアプリケーションを単一のインタフェースで管理し、セキュリティを向上できる点があるとした。
同氏は拡張機能の例として、タスク管理として有名な「Trello」を取り上げ、TrelloをTeamsの中でボットとして1:1で会話したり、コネクタ機能を利用し、誰かが新たなプロジェクトを立ち上げると、Teamsの中でその通知を受け取ることができることを紹介した。
Moreno氏は、Teamsの活用方法について、「シンプルに始めることだ。毎日、毎週必要なツールは何なのかを探ることから始める」とアドバイスした。
同氏は、日々使うツールは3つに分類できるとした。1つはマイクロソフトが提供しているアプリでWordやExcelなど。2つめは、Teamsのパートナーが提供する200以上のアプリ。3つ目は、HRやワークフローなどの自社開発したアプリ。これらの中で自分のチームがよく使うものを調べ、Teamsに取り入れ、拡張機能を使ってカスマイズしていけばよいという。
そして、同氏は自身のチームでの使い方を紹介した。
同氏はまず、110以上の建物がある米マイクロソフトの本社敷地内で、レストランやカフェを検索する例を紹介。同氏のチームでは、SharePointの中に格納されているレストランやカフェの場所、営業時間、メニューなどの情報を検索するボットを開発したという。たとえば、「ここから一番近いカフェは?」と質問すると、それを検索してくれるというものだ。ボタンをクリックすると、ボットに対してどんな質問ができるのかも表示する。これによって、自身も初めて、自分のIDカードの残高を参照できることを知ったという。
また、同氏は毎日ツイッターの情報を分析し、マーケティングに活かしているが、Teamsの中でツイッターに投稿できるようにしており、その内容について同僚とチャットや電話で会話ができるという。
そのほか、本社敷地内を走っているシャトルバスの予約も、以前はSharePointのサイトに行き、シャトルの情報を見つけ、予約するという手順が必要だったが、現在はボット化。たとえば、「シャトルを予約したい」と要望を打ち込むと、ボットが行き先を問い合わせ、それに回答するといった具合に、対話形式で予約できるという。また、乗り場も自身の場所から自動的に最寄りのバスストップを案内するという。
そのほか、公式ブログの更新についても、いつ、どんな内容を発表をするのかを多くの人と調整しなければならないが、だれが、いつ、どんな内容で更新するのかをTeamsの画面上で一覧表示できるようにしているという。そして、調整もチャットなどを利用し、同時に複数の人とWordドキュメントを見ながら調整でき、効率が上がったという。
また、経費清算の承認に関しても、Teams内で処理できるようになっているという。
国内企業でも、電通やアクセンチュアがTeamsを導入。電通では、SharePointに構築されたコンテンツをチャットボットを利用して表示させているという。
一方、アクセンチュアでは、TeamsのチャットからアクセスできるようにServiceNowを活用した専用ボットを作ったという。