IDC Japanは2月4日、「2019年 国内コネクテッドビークル市場 個人/事業者ユーザー調査」の調査結果を発表した。
同調査は、ライドシェアやカーシェアなどのMaaS(Mobility as a Service)およびコネクテッドビークルとその関連サービスに対する国内の個人ユーザーと事業者ユーザーの利用意向や利用に当たっての不安要素などを分析したもの。今回の調査から、現在マイカーを運転している人の21.6%が10年後は車を所有しなくてよいと考えていることが判明したという。
趣味性の発露の対象として車を捉える人が多い男性においては、集中力や反射神経の衰えから将来は代替手段への移行を検討する人が多いと考えられる60代に続き、特に20~30代(男性20代:23.2%、男性30代:22.5%)で所有しなくてよいとする人の比率が高くなっていると指摘。
国内でもライドシェアサービスに関わる規制緩和が進んだ場合、若い世代の男性を中心に「所有から使用/共有へ」の流れが加速する可能性が高いと考えられているという。
また、現在頻繁にマイカーを運転し、かつコネクテッドビークルのような次世代自動車の所有にも興味がある人を対象とした抽出調査において、ライドシェアサービスを「乗客として利用する可能性がある人」が69.6%を占め、ライドシェアの個人ドライバーの評価手法については、海外の主要ライドシェア事業者が採用する「他の利用者の主観的評価」が良いとする人(40.8%)よりも、「サービス事業者による運転データなどに基づく客観的評価」を挙げる人(52.6%)の割合が高くなっている。
さらに、ライドシェアサービスに対して「所有車の貸し手/ドライバーとして登録する可能性がある人」は55.4%となり、個人所有車や公共交通機関などに対するメリット、ドライバー評価を含めたリスク対策の認知が進めば、十分な乗客の需要と車両/ドライバー供給の双方が期待できるとしている。
今回の調査の結果から、国内でもライドシェアが有用な交通手段として受け入れられる土壌があり、マイカー以外の交通手段によるさまざまな移動を一つのサービスとして捉えるMaaS普及の起爆剤になり得ると考えられている。
同社のコミュニケーションズ リサーチマネージャーである敷田康氏は「20~30代は米国でミレニアル世代と呼ばれる層となり、インターネットが普及した環境で育ち柔軟な価値観を持つ世代とされ、シェアリングエコノミーを評価する層でもある。若い世代の男性層においてはライドシェアなどのMaaSが、個人所有車の代替手段として受け入れられる可能性が高い」と分析している。