インフルエンザの流行が昨冬のピークを上回って1週当たりの推定患者数が過去最多になった。厚生労働省が1日午前発表した。ウイルスのタイプは2種類合わせると99%がA型で、年齢別では5~9歳が最も多い。
厚生労働省の発表によると、1月21~27日の1週間に報告されたインフルエンザ患者は1医療機関当たり57.09人(定点当たり報告数)を記録。前週の53.91人より増加し、昨冬ピークの54.33人も上回って統計が始まった1999年以降最多となった。
定点医療機関からの報告をもとに、定点以外を含む全国の医療機関をこの1週間に受診した患者数の推計では全国で約222万6千人となり、前週比で10万人近く増えてしまった。
また、全国約5千の医療機関からこの1週間に報告された入院患者数は3205人を数え、これも昨冬ピーク時の2050人を上回った。厚生労働省によると、今冬は重症例が多いという。
都道府県別では埼玉県(84.09)、新潟県(77.70)、千葉県(73.00)、宮城県(69.81)、神奈川県(67.94)、栃木県(67.00)、大分県(65.45)、長野県(64.72)、東京都(64.18)、石川県(63.96)、福島県(63.19)、福岡県 (62.70)、茨城県(61.88)、愛知県(61.82)、群馬県(58.02)の順となっている。
年齢別では、0~4 歳が約26.9万人、5~9歳が約41.1万人、10~14歳が約29.0万人、15~19歳が約13.2万人、20代が約16.7万人、30代が約21.3万人、40代が約23.6万人、50代が約17.6万人、60代が約15.1万人、70代以上が約18.2万人となっている。
国内のインフルエンザウイルスの検出状況については、直近の5週間では 2009年に大流行した「AH1pdm09」が50%、次いでAH3亜型(A香港型)が49%、B型はわずか1%だった。
インフルエンザは感染判明後に適切な措置をすると多くは1週間程度で治るが、子どもや高齢者は脳症や肺炎などを起こし、重症化することもある。厚生労働省は、インフルエンザが主にくしゃみの際に口から出る小さな水滴(飛沫)によって感染することから、他の人に向けて咳やくしゃみをせず、マスクをするなどの「咳エチケット」を心がけるよう呼びかけている。
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