中国の半導体産業は、米中貿易戦争と国内経済の悪化で減速を余儀なくされているが、そんな中、台TrendForceは、2019年の中国の半導体産業の成長率が過去5年間で最低となる前年比16.2%増になるとの予測を公表した(金額規模としては7298億元)。
TrendForceのリサーチディレクターであるJeter Teo氏によると、中国の半導体業界は、中国を含む世界的な景気減速、全般的な需要低迷、世界的なスマートフォン生産量の減少、継続的な米中間の貿易摩擦など、いくつかの課題を抱えている。
しかし、中国政府は、半導体チップの自給自足体制を構築し、外国半導体企業への依存を減らすことを目指しているため、中国の半導体産業は今後も成長が続くとの見方をTrendForceでは示している。
そのため、過去5年で最低の成長率という予測であっても、これまでの年率20%を超す成長率がやや低くなるに過ぎず、世界の半導体産業の平均的な成長率に比べてははるかに高い値が続くこととなる。
市場のけん引役は、人工知能(AI)、5G、自動運転、電気自動車、CMOSイメージセンサ、バイオメトリック認識、IoT、エッジコンピューティングなどで、この数年、多数のIC設計企業が中国にて台頭してきていることに同社は注目しており、そうした企業が中国の半導体産業の発展をリードする上で、重要な役割を担っているとする。
そのため、2019年の中国半導体産業全体の市場規模におけるIC設計の売上割合は40.62%とするが、IC製造が28.68%、ICテストとパッケージングが約30.7%ともしており、比較的バランスが良いものになると同社では予測している。
なお、同社の予測によると、半導体製造業全体の2019年の成長率は18.58%増となり、IC設計の17.86%、ICテストおよびパッケージングの12%を超す見通しで、半導体の主要セクターはいずれも2桁成長になるとしている。そのけん引役はやはり中国で、2019年中に10以上の300mmウェハファブが生産を開始するほか、200mmウェハファブもパワー半導体向けを中心に生産能力の拡大が図られる見込みだという。