NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は1月23日、「Enterprise Cloud WebRTC Platform SkyWay(以下 SkyWay)」の音声・映像データを音声認識AIや機械翻訳AI、ライブ配信などのさまざまなクラウドサービスとリアルタイムで連携できるSkyWay簡単機能拡張キット「 Media Pipeline Factory」を開発し、無料トライアルの提供を開始すると発表した。

同社では、オンラインによる音声・ビデオ通話などのリアルタイムコミュニケーションを実現する標準技術WebRTC(Web Real-Time Communication:インターネットで同時に意思疎通、通信するオープン標準技術)を開発・活用するためのプラットフォーム「SkyWay」を2013年より提供してきた。

「SkyWay」は、WebRTCを利用するために、プロトコル、映像・音声符号化、暗号化、プログラミングなど、さまざまな技術を習得しなければならないという障壁を解消するために開発されたもので、すでに開発者は5000人を超え、アプリ数は5200になるという。

今回発表した「Media Pipeline Factory」は、SkyWayをAIなどのクラウドサービスとプログラミング不要で接続でき機能拡張できるサービス。同社 技術開発部 Webコアテクニカルユニットリーダー 担当課長 大津谷亮祐氏によれば、「SkyWay」には2つの課題があったという。

1つは、ブラウザ、iOS、Android以外の端末では利用できない点。2つ目はクラウドに映像・音声を送信し、録音・録画したり、AIで処理したりできない点。

1つ目の課題に対しては、昨年「SkyWay WebRTC Gateway」を公開し、IoT機器、組み込み機器、家電、監視カメラ、ロボット等でWebRTCが利用可能にした。

「Media Pipeline Factory」により、SkyWayで送信した音声・映像データと多様なクラウドサービスを組み合わせ、さまざまな利用シーンで活用できるという。

  • SkyWay簡単機能拡張キット「Media Pipeline Factory」のイメージ

同社が例として挙げるのは、AIサービスとの組み合わせによる、音声認識、機械翻訳、画像認識機能、ストレージサービスとの組み合わせによる、録音録画機能、SIPサーバとの組み合わせによる、VoIPとの相互通話機能、スタジアムWi-FiやCDNとの組み合わせによる、低遅延ライブ配信機能など。

今回のキットでは、GUI上でコンポーネントを並び替えることにより、パイプライン定義をしながら、処理を定義でき、プログラミングが不要なのが特徴。

  • Media Pipeline Factoryの操作画面イメージ

また、サーバレス・アーキテクチャの採用により、一度に大量のアクセスが発生した場合や、アクセスの急増に対しても、安定した機能提供できるという。

無料トライアルでは、録音、音声認識、機械翻訳の各機能をプログラミングすることなく利用可能な6種類のビルトインコンポーネントを利用できる。

なお、申し込み方法などの詳細については、申込みWebサイトを参照。