ルネサス エレクトロニクスは1月21日、同社の32ビットCPUコア「RX」の第3世代に位置づけられる「RXv3」を搭載したマイコン「RX66T」を活用した組み込みAI(e-AI)開発環境「モータ搭載家電向け故障検知用e-AIソリューション」の提供を開始することを明らかにした。

同ソリューションはe-AIを用いて、モータの電流や回転数を測定。センサを用いずに、電流波形や回転数の異常からモータの故障の検知を可能にするというもの。最大4モータの制御をリアルタイムで実行することが可能であるため、機器によっては1チップでシステム全体を制御することも可能になるという。

ハードウェアとして同社製モータ制御用評価キットとRX66T用CPUカードが提供されるほか、RX66Tで動作するサンプルプログラム一式、ならびにモータの状態を示す特性データを収集・解析可能なGUIツールが提供される。同社ではGUIツールを活用することで、すぐにAI学習と最適な故障検知機能の開発に着手することが可能になるとしているほか、こうして開発された学習済みAIモデルについても、e-AI開発環境として提供しているe-AIトランスレータやe-AIチェッカ、e-AIインポータなどを活用することで、容易にマイコン上へ搭載することができるようになっていると説明している。

  • モータ搭載家電向け故障検知用e-AIソリューション
  • モータ搭載家電向け故障検知用e-AIソリューション
  • モータ搭載家電向け故障検知用e-AIソリューション のデモの様子。モータの電流値や回転数をリアルタイムで測定し、通常状態と異なる状態を検知すると、異常状態をパーセンテージで表示するというもの

ルネサスが1月21日に開催したインダストリアルソリューション事業に関する説明会にて行ったデモの様子。通常の回転時には異常率は0%だが、回転に異常が生じる(この場合は、プーリーを新たに触れさせることで、変化を与えている)と、異常を検知。プーリーが触れている状態によって異常の状態をリアルタイムで判別している