長野県白馬村とKDDIは1月17日、立命館大学と金井度量衡の協力を受け、除雪作業の課題解決に向けて次世代移動通信システム「5G」を活用した除雪車支援の実証試験を国内で初めて実施すると発表した。

  • 実証試験の実施イメージ

    実証試験の実施イメージ

試験では、5Gを活用し、除雪車の運転席に設置した5Gタブレット上に、積雪のない夏場の状況写真を表示することで、雪の下に埋もれているマンホールや縁石などの道路構造物に注意しながら、迅速かつきれいな除雪作業が行える除雪車支援システムの実証を行う。

降雪地域において、迅速かつきれいな除雪は地域住民が生活手段である道路を安心・安全に利用するために不可欠なほか、白馬村では村外からの雪道に慣れていないスキー客の車が多いことから、観光事業の側面からも重要だという。

一方、近年は日本各地において、降雪の少ない地域で豪雪となる災害が多く発生しており、試験のシステムを活用することで、豪雪災害時に応援に来た除雪車オペレータの作業支援を可能とし、除雪の効率化、豪雪災害からの早期復旧などが期待できるとしている。

今後も、KDDIと白馬村は試験や地域活性化を目的とした協定を通じて、相互連携と協働による活動を推進し、5Gを見据えたICTをはじめとした双方の資源を有効に活用することにより、地域活性化を推進していく。

なお、試験は総務省の5G総合実証試験の一環として実施。各社の役割として、KDDIが試験の実施および5Gエリアの設計、白馬村が試験場所および除雪車の提供、立命館大学が除雪車支援システムの開発、試験、金井度量衡がシステム用測位情報データ作成および車載機器の製作をそれぞれ担当する。