英Armは1月10日(現地時間)、デジタル上の顧客データと実店舗のIoTデータをセキュアに統合管理できる小売業向けの「Arm Retail」ソリューションを発表した。

新ソリューションは、導入しやすいフルパッケージの小売業向けソリューションであり、小売業者はこれまでサイロ化されていたデジタル上の顧客データと実店舗のIoTデータをセキュアに集約、統合、管理することで、パーソナライズされたオファーを消費者に提供し、ブランドロイヤルティを構築するとともに、オペレーションを向上できるという。

また、同社のIoTプラットフォーム「Arm Pelion IoT Platform」とカスタマーデータプラットフォーム「Arm Treasure Data CDP」を統合しており、小売業者はデータのサイロ化を解消し、買い物客の購買プロセスの全体像を把握でき、すべての顧客データと店内のIoTデータを確実に収集・統合し、利害関係者と共有することで、メリットが得られるとしている。

CDPは、ディスプレイ広告や電子メール、Web、モバイルなど、あらゆる種類のデジタルタッチポイントを対象に、データ収集プロセスを統合することで、すでにマーケターに価値を提供するという。Pelion IoT Platformを活用することで、店内のリアルタイムデータを管理しつつ、デジタルマップ、ビーコン、コンピュータビジョン、店舗運用ソフトウェアをAPIで統合する。

さらに、マーチャンダイザーは買い物客の嗜好に基づき、店内の商品をローカライズでき、小売店のオペレーションでは商品の人気度/SKU(Stock Keeping Unit)の流通速度、店内の混雑度、滞在時間などの指標に関するリアルタイムデータによって導かれた推定に基づいて、店舗のレイアウト、商品の配置、店舗スタッフの優先順位を最適化を可能としている。

自社のマーケティングキャンペーンをパーソナライズすることで、小売業者は買い物客に新たな価値を提供することができ、例えば、買い物客のアパレル商品に対するオンラインでの関心に基づき、店内のデジタルサイネージを通じてその商品のパーソナライズされた店内広告を提供するという。

加えて、Armのパートナーであり、世界250社以上の小売業者に使用される店舗運用ソフトウェアソリューションを提供するReflexisなど、小売業者の既存システムやソフトウェアともシームレスに連携。Reflexisは、新ソリューションで得られたリアルタイムデータの洞察に基づき、小売店のスタッフに実践的なタスクを与えるとしている。

例えば、買い物客の店内商品に対するエンゲージメントやオンラインでの購買行動からキャプチャされたデータを利用し、その商品に対する潜在的な関心、顧客サービスの改善分野、パーソナライズされたオファーの提供機会に関し、StorePulseのアラートを起動することで、店舗スタッフはタスクの優先順位を決定できるという。

Pelion IoT PlatformとCDPの組み合わせにより、マーケターは買い物客の店内行動とオンライン行動について深い洞察を引き出し、顧客に合わせたプロモーションやキャンペーンを展開して再度の来店につなげることや、その効果を測定することで、ショッピング体験を向上できるとしている。