準惑星である冥王星の先の宇宙を飛行していた米国の探査機「ニューホライズンズ」が天体「Ultima Thule(ウルティマ・トゥーレ)」に接近し、この天体を捉えた画像を新年早々に地上に送ってきた。探査機が訪れた中で最も遠い天体は大小二つの球がくっついた雪だるまや、ひょうたんのような形だった。米航空宇宙局(NASA)が米東部時間の2日、その画像を公開した。
NASAによると、画像はニューホライズンズが米東部時間1日未明、天体「ウルティマ・トゥーレ」に約2万8千キロまで接近して撮影した。この天体は推定直径約14キロと同約19キロの大小2つの球がくっついたような形状で、長さは2つの球の推定直径の合計よりはやや短く31キロ程度とみられている。太陽系惑星で最も遠い海王星のさらに外側を回る「太陽系外縁天体」の1つとされているが“先輩”探査機のボイジャー1号、2号も接近していなかった。NASAの研究チームは、太陽系が誕生したころの痕跡をとどめており、太陽系の誕生の経緯を調べる上で貴重な成果としている。
ニューホライズンズは2006年1月に打ち上げられ、7種類の観測機器を搭載。07年2月に木星に接近し、15年7月には冥王星にも接近した。その後も飛行を続け、地球上が新しい年を迎えた頃に地球から64億キロも離れた宇宙空間に到達して、ウルティマ・トゥーレの姿を捉えた。今後20カ月かけ観測データを収集するという。現在、ボイジャー1号と2号はニューホライズンズの飛行点のはるか遠くの宇宙を飛んでいるが、太陽系外縁天体へは接近していない。
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