リコーは1月8日、中小企業を主なターゲットとして、同社が「クラウドへの招待状」と位置づける新たな複合機(MFP)「RICOH IM Cシリーズ」(以下、IM Cシリーズ)7機種16モデルを発表した。
IM Cシリーズは毎分20枚(A4ヨコ)機から毎分60枚(A4ヨコ)機までのカラー複合機のラインナップを一新。全モデルに10.1インチWSVGA大型フルカラータッチパネル「新MultiLink-Panel」の採用により、ユーザビリティを向上したほか、新たに小切手や領収書などの小サイズ原稿のスキャンを可能にする「小サイズスキャンオプション」や、本体の胴内でZ折りや二つ折り、外三つ折り、内三つ折りが可能な「インナー紙折りオプション」など、新規オプションも用意した。
IM Cシリーズは、クラウドとの連携が大きな特徴だ。MFP上でスキャンした画像を、RICOH Smart Integration(RSI)と呼ばれるクラウド上のアプリでAI-OCRをかけ、各種クラウドサービスに連携させることができる。
リコー 代表取締役 社長執行役員 CEO 山下良則氏は「中小企業の方がクラウドを活用できているかというとそうでもない。今回の製品はそれを解決する製品だ。IM Cシリーズはクラウドサービスのポータルになる、そのさきがけのシリーズだ」と語る。
同社は、IM CシリーズとRICOH Smart Integrationを2つをあわせたプラットフォームを「RICOH Intelligent WorkCore」と呼び、紙ドキュメントの情報をデジタルデータ化するためのゲートウエイとなり、クラウドサービスとシームレスに連携した効率的なワークフローを実現するとしている。今後はQR/バーコードを活用したドキュメントサービスなども提供するという。
「IM Cシリーズは、これまでのコピー機のリコーからワークプレイスサービスのリコーに塗りかえる製品だ」(山下氏)
IM Cシリーズは、スマートフォンの特徴である好みのアプリやインタフェースに変更できるパーソナライズ機能と、常にOS(ファームウェア)を最新にアップデートできる機能も取り込んだ。
パーソナライズ機能では、83種類(現在)のアプリケーションや、月単位の契約ができるサブスクリプションモデルが導入される。山下氏は、アプリの数を3月までに100にすると意気込みを語った。
アップデート機能では、ファームウェアを常に最新にアップでき(RICOH Always Current Technology)、機種を最新にしなくても新機能を利用できるようにした。
リコージャパン 代表取締役 社長執行役員 CEO 坂主智弘氏は、ファームウェアのアップデートを可能にすることにより、機器自体の販売が落ちるのではないかという質問に「買い替えではなく、入出力の新たなデバイスとしての市場をつくっていく」と語った。
同社では、これらの機能により、さまざまな業種業務に対応した最新のクラウドサービスとの連携によるワークフロー改善や最先端のセキュリティ機能への対応を実現し、働き方改革を支援するとしている。
そして、山下氏は販売目標として、月間国内で15000台、グローバルで50000台という数字を挙げた。
今後はパートナー連携も強化し、RICOH Smart Integration のAPIやSDKを公開することで連携するアプリケーションの拡充を図り、パートナーと一体となって顧客のワークフロー改善提案に取り組むという。