日立製作所は1月8日、全国の消防局・消防本部向けに、スマートデバイスを活用した「消防救急受令サービス」の販売を開始した。価格は個別見積もり。
新サービスは、専用アプリケーションにより、消防指令センターから消防隊員への指令をスマートデバイスを介して伝達できるサービス。消防指令センターから各隊員へ指令を直接伝達できるほか、テキスト・地図情報の送信および各隊員の動態・位置の確認が可能としている。これにより、複数の署所・隊の迅速な連携を支援し、効率的な消防救急活動に貢献するという。
消防指令センターから隊員へ伝達される指令は、多くの場合、署所や緊急車両に固定された専用端末から確認する必要があるが、新サービスでは受信端末として低コストな市販のスマートデバイスを利用できるため、現場活動を行う各隊員が携帯し、消防指令センターからの指令内容を各現場で直接受信することを可能としている。
また、各端末では消防指令センターを含む、1グループあたり最大5端末でのグループ通話を行うことができ、消防指令センターから隊員へ一斉に音声やテキスト、地図などの情報を送信することも可能なため、情報共有の効率化を図ることができるという。
さらに、これまで隊員間の情報伝達手段において利用されている無線通信は利用周波数の制限により、複数の指令が同時多発的に伝達される場合、通信が混雑することがあったものの、新サービスはデータ通信回線を利用するため、スムーズな通信を可能としている。
加えて、消防指令センターでは、スマートデバイスから取得できるGPSを利用した位置情報を用いることで、各隊員の現在位置と隊員の動態確認ができるため、現場状況の把握も容易になるという。
同社は今後も、安全・安心で持続可能な地域社会の実現に向けて、AIやIoTといった先端ITを適用するなど、消防局・消防本部の任務と使命に応えるソリューションを展開していく考えだ。