2019年の年頭にあたり、コニカミノルタ 代表執行役社長兼CEOの山名昌衛氏は、以下の年頭所感を発表した。

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

2018年は国内においては複数の未曽有の天災に見舞われ、グローバルにおいても米中貿易戦争など重大な懸念材料を注視しながらの事業運営となりました。2019年は引き続き貿易摩擦の深刻化や英国のEU離脱を含む欧州政局の不安定化等の地政学的リスクに注視しつつ、国内においては新元号への改元、消費税増税、東京オリンピック・パラリンピックを翌年に控えた社会インフラ整備の加速等、歴史に残る重要な節目の年ともなります。

一方、情報・デジタル技術の目覚ましい進展によっても世界は大きな変革期を迎えています。当社を含めた企業間競争を取り巻く環境は比類ないスピードで大きく変化しており、どのような産業でも今ほどイノベーションが必要な時代はありません。昨今、AIやロボティクス、IoT等々、デジタル技術を中心にイノベーションが語られることが多いのですが、当社でなければ提供できないデジタル技術によるイノベーションで「新しい価値」を創造・提供し、企業として責任を持って社会課題の解決に貢献していくことで人間社会のクオリティの向上を実現することこそが重要なのです。

コニカミノルタは、このような「激動の時代」をチャンスと捉え、自らが「課題提起型デジタルカンパニー」としてその変革をリードする企業になることを目指しています。昨年の事業の取組み例としましては、中小企業の働き方変革を支援する、複合機ビジネスに高性能サーバーとITサービスを一体化した新サービス「Workplace Hub(ワークプレイスハブ)」を、欧米8か国を皮切りにグローバルで順次発売開始、また、プレシジョン・メディシン(個別化医療)分野においては国内新会社を設立し、米国で推進しているがんやアルツハイマーといった疾患に対する個別化医療の国内における本格推進、などが挙げられます。

これからの事業創出には、高品質なモノづくり力、さまざまな領域での貴重なデータ集積、先端技術による解析・可視化、多種多様な顧客価値の特定、強み技術の深耕、世の中の先進デジタル技術との組み合わせ、オープンなエコシステムでの市場開拓といった要素が欠かせませんが、その実行の源泉となるのは「人財」です。当社の4万人以上の従業員それぞれが「個」の力を高めて輝き、当社グループ内にとどまらず、お客様やサプライヤー、パートナーなど外部の企業や人ともオープンに繋がることが必要となります。

こうした取り組みにより、中期経営計画「SHINKA 2019」のみならず、2021年度の目標達成を見据え、持続的に成長するグローバル企業となるために全社員が一丸となって取り組んで参ります。

本年も皆様方のご健康とご多幸を心からお祈りいたしますとともに、当社グループに対しましても、なお一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。