セコムは12月27日、出入管理と顔認証のノウハウを活かし、さまざまな業種業態における省力化・生産性向上ニーズに人物検知で応える、顔認証検知システム「セサモFF」(Face Finderの略)を販売開始したと発表した。
同システムは、セコムがグローリーと開発した専用ソフトウェアと顔認証カメラ・顔認証PC・表示モニターなどで構成し、建物内に設置。ユーザーが登録した顔画像から100カ所の特徴点を抽出して照合判定を行うほか、顔の上下左右の斜め方向からでも検知でき、検知した顔を追加登録したり、誤認識であったことを登録したりすることで精度を高めていくことを可能としている。
また、使用する目的や利用環境に応じ、検知結果を警告灯やメールで通知することや、扉の開閉を制御することも可能で、さまざまな業種業態のニーズに対応できるという。
顔認証を活用することで、例えば商業店舗や金融機関などでは重要顧客の来店を従業員などに通知す「「VIP来訪報知」、病院や介護施設などでは患者や施設利用者が建物から出ようとした際にスタッフなどに通知する「無断離院・離設(無断離院・離設:認知症の入院患者や施設利用者が、無断で外出してしまうこと)報知」といったことが可能となり、従業員・スタッフの省力化・生産性の向上を図ることができるとしている。
主な特徴として「検知対象者の登録」「検知ロジック」「通知機能」「データ保存」の4点を挙げている。検知対象者の登録では、検知対象者のJPEG画像を取り込む方法と、顔認証カメラで撮影した記録画像の中から対象者を選択して登録する方法の2通りがあり、最大2万件の顔画像を登録することが可能(1検知対象者に複数の顔画像の登録が可能)。
検知ロジックは、検知対象者の登録画像から100カ所の特徴点を抽出、照合判定に使用することで、人物特定と他人との判別精度を向上させており、 自動的に「任意角度の顔」を推定した上で角度ごとに特徴量を補正させるため、斜め方向から撮影した場合でも安定した照合精度を保つという。
通知機能については、検知対象者を検知した際にはモニター上に画像を表示し、顔認証PCのブザー鳴動で通知することに加え、検知対象者毎に赤・青・黄・緑などの表示色を設定することができる。さらに、警告灯での通知や別途ユーザー手配のメールサーバを経由して、eメールで通知することも可能となるほか、接点出力ユニットを用いて検知時にオートドアの開閉を無効とするなどの運用も可能。
データ保存に関しては撮影した動画(約10日分)はお客様の建物内に設置した顔認証PCに保管され、カメラや日時を指定した動画再生、撮影したカメラ画像から切り出した人の顔(検出画像)を来訪リストとして表示することができる。加えて、検知した顔画像のみを履歴表示することも可能(5000件まで保存可能)としている。
価格は顔認証用カメラ2台と顔認証PC、専用ソフトなどを含み、税別で215万円(メール用通信環境整備、カメラ設置工事、LAN工事は別途)。