清水建設は、山岳トンネル工事における検査・管理業務の合理化を目指し、タブレット端末を用いたリアルタイム遠隔立会システムを開発したと発表した。
このシステムは、同社が開発を進めている次世代型トンネル構築システム「シミズ・スマート・トンネル」の一環として開発したもので、検査員が現場に赴くことなく、遠隔地の端末上で施工状況の確認から記録写真・帳票類の承認に至る一連の検査プロセスを完結できる。
遠隔立会システムは、テレビ会議機能と検査値入力・立会写真撮影機能を備えた遠隔検査ソフト、施工者用のタブレット端末、発注者の工事事務所に設置する閲覧用PC、サーバPC、トンネル内無線通信網等で構成される。利用時は、工事事務所の閲覧用PCとトンネル坑内のタブレット端末をインターネット回線でつなぎ、タブレット端末で撮影した坑内のライブ映像と、施工者が入力する施工状況・検査値等の検査データを発注者・施工者間で共有しながら、品質・出来形検査を進める。
施工者が検査データを付与した立会写真を撮影し、発注者側が承認ボタンを押下することで承認手続きが完了。承認後の写真・帳票データは即座にサーバPCに保存され、WEB上で閲覧・ダウンロードできる。
今年の11月から、西日本高速道路と共同で、湯浅御坊道路川辺第一トンネル北工事(和歌山県)の品質・出来形検査の一部を対象に試験適用を開始し、吹付けコンクリート厚の検測時、覆工コンクリート打込み状況の確認時にシステムを試験適用し、遠隔立会検査の実用性を検証する。併せて、覆工コンクリートの圧縮強度試験を対象に、現場事務所とコンクリートプラント試験室をつないだ遠隔立会にも適用する。