ウェザーニューズはAIを用いた道路管理支援システムの実用化に向けて、車載カメラの映像解析から積雪や凍結、損傷など路面状況をリアルタイムに自動検知するための実証実験を開始している。車両事故の原因にもつながる路面損傷や凍結などの路面状況がリアルタイムに伝達されることで、パンク被害や事故の減少が期待される。

同社は2019年の夏までに「AI道路管理支援システム」の実用化を発表しており、NICT(国立研究開発法人情報通信研究機構/National Institute of Information and Communications Technology)やクレアリンクテクノロジー社やIoTコンサルティング社と技術協力を行い、従来の定点カメラや目視により確認から、路面状況変化のマッピングによる動画解析での自動検知手法導入へとその取り組みを加速している。

システムの様子(同社資料より)

システムの様子(同社資料より)

今回、同社は盛岡市内で行った路面損傷確認のための実証実験での自動検知に成功したことを発表した。10月22日から23日にかけて盛岡市と協力した実証実験では、走行車両の車載カメラ映像をリアルタイムに伝送、これを解析することで損傷を確認できたとしている。車載側(エッジ側)とクラウド側にRaspberry PiとOpenCV(Open Source Computer Vision Library)を取り入れ、新規開発の映像伝送プロトコルを用いてモニターに表示。映像技術にはNICTの協力を得ることで高解像度の映像のリアルタイムな伝送を実現している。なお、同社は今冬には、路面凍結・積雪の把握や白線検知に関する実証実験を行うことも発表している。

  • システムの概要(同社資料より)

    システムの概要(同社資料より)