西日本電信電話(以下、NTT西日本)は、自治体・学校・家庭が連携した地域ぐるみの児童みまもり情報配信サービスのトライアルを実施すると発表した。
この背景には、政府が6月22日に閣議決定した「登下校防犯プラン」がある。これは、地域における安全対策強化の方針をまとめたもので、「地域における連携の強化」や「不審者情報などの共有及び迅速な対応」「子供の危険回避に関する対策の促進」など、自治体や学校、家庭等地域の連携によって登下校時における総合的な防犯対策を講じるよう要請している。
これを受けて同社は、自治体・学校・家庭が連携した地域での児童のみまもり実現により、安心・安全な地域社会づくりに貢献すべく、今回のトライアル実施に至った。
同トライアルは、熊本県南阿蘇村および鹿児島県肝付町の2町村においてサービスの有用性を検証する。
サービスの内容としては、児童が携帯するGPSやビーコンを用いた「みまもり端末」による位置情報、および特定ポイント・エリアでの検知情報、自治体・学校からの情報配信を、保護者へLINEやメールを通じて提供する。
さらに、自治体や学校などと連携し、地域の危険箇所情報やハザードマップを児童の位置と重ねて表示するほか、不審者情報や災害情報などの防犯・防災に関わる情報配信や、チャットボットによる行政への問い合わせも提供する予定だ。
ここでは、LINEおよびチャットボットを活用することで、専用のアプリケーションをダウンロードすることなく、直感的な操作でタイムリーな情報が取得可能になる。
加えて、同トライアルでは、携帯電話網のほか、省電力・長距離通信が可能なLoRaWANを活用したネットワークの実証も行う。
同社は、トライアルで得られたノウハウや実証参加者の意見・要望をサービスに反映し、2019年度中に商用化を実現したい考えだ。
さらに、児童の安否確認を保護者へ実施する安否確認機能や児童の行動データを分析し、地域の安全対策などに活用できるデータ解析機能を新たに開発していくほか、高齢者など、みまもり対象を拡大し、将来的には防災・防犯などさまざまな地域情報の流通基盤となるサービスの開発を行っていくという。