デロイト トーマツ コンサルティング(DTC)は12月19日、Emotion Tech(エモーショナルテック)と連携し、CX(カスタマーエクスペリエンス)の現状分析に顧客ロイヤルティ指標NPS(Net Promoter Score)を活用した、CRM(Customer Relationship Management) / CX戦略支援サービスの提供を開始した。

近年、CXに対する注目が高まっている一方で、CXの分析や改善はウェブやスマートフォンアプリあるいはメールなどのデジタルの世界における内容に限定され行われているケースが目立つが、本来はデジタルとリアルの現場の双方で分析や改善に取り組むことが必要だという。

今回、DTCとエモーションテックが連携し提供するサービスでは、NPSを利用することでデジタルとリアル双方におけるCXの現状をカスタマージャーニーマップにより可視化。

その上でDTCは顕在的・潜在的に期待されている顧客体験を分析・整理し、課題の設定や改善策を反映した目指すべきカスタマージャーマップを提示し、その実行から定着までをサポートするCRM / CX戦略支援サービスを提供する。

サービスフローは(1) NPS回答データをベースに課題を抽出、(2)精緻な課題設定/改善案の検討と実行、定着、(3)再NPS調査で施策を検証となる。

NPS回答データをベースに課題を抽出することに関しては、NPS調査を実施し、エモーションテックが開発した独自調査手法を用いて回答データを複数のプロセスに分解。

各プロセスを顧客体験スコア(顧客体験の各プロセスを統計・AIを用いて分析し、NPSに影響を与えているプロセスを可視化したもの)として定量評価し、顧客企業のマーケティング、顧客対応、ブランディング活動についての課題を抽出。カスタマージャーニーマップを作成し、課題を可視化するという。

課題設定/改善案の検討と実行、定着については、抽出された課題を顧客の感情データと行動データの両面から複合的な分析を行い、精緻な課題設定を行った上で、顧客ロイヤルティ向上に向けた改善案を検討し、CRMツールを用いつつ実行するほか、トレーニングやコーチングを通じて定着を図るとしている。

再NPS調査で施策を検証することに関しては、課題解決のために行った施策のNPSへの影響を評価し、戦略の再構築を行うなどPDCAサイクルを回すという。

DTCでは、同サービスが小売・流通、サービスのほか、幅広く活用することを想定し、スポーツの観戦体験をテーマとして観戦者の体験を調査・分析したレポートをまとめており、近く公表を予定している。