NECは12月17日、同社が研究開発を進めている、多数の需要家蓄電池を遠隔からリアルタイムで制御する同社の独自技術について、関西電力が2019年1月7日から実施する需要家蓄電池を活用した周波数制御技術に関する実証試験用システムでの採用が決まったと発表した。

  • システム構成の概要

    システム構成の概要

独自技術は、階層協調制御方式(蓄電池個々への出力分配の全体最適化とリアルタイム・同期制御を可能とする制御情報の配信方式)と仮想統合制御技術(蓄電池個々の状態や台数、上位システムの要求に基づき、各蓄電池の出力を最適分配する技術)を活用することで、1万台規模の需要家蓄電池を遠隔から高速監視制御し、電力系統の安定化を図る「周波数制御」と蓄電池本来の「利便性(エネルギーマネジメント、BCP対策など)」を同時に実現するものとなる。

関西電力の実証試験では、複数タイプの需要家蓄電池を秒単位で充放電制御し、システムからの指令に対する蓄電池の応動時間や制御精度を検証することにより、電力系統における周期の短い負荷変動に対する蓄電池の応答性能を確認する。この結果を踏まえ、2019年度以降、実用化に向けた技術の確立を目指す。

多数の蓄電池を遠隔から高速充放電制御することで、再生可能エネルギー導入における電力系統安定化への貢献と、同時に需要家が従来の蓄電池の利便性を損なわずに蓄電池の未利用電力を有効活用する、蓄電池の利用価値向上を実現していくとしている。

なお、NECは同実験において、実証用システム(上位制御装置からエッジまで)と通信区間を担当する。