世界半導体市場統計(WSTS)の定める33の半導体製品カテゴリ分類に基づいて2018年の市場の集計を進めるIC Insightsが、DRAMの市場成長率が2017年同様に2018年も全半導体カテゴリ中で最も高くなる見通しであることを明らかにした。
DRAMは2017年、前年比77%と驚異的な成長を遂げ、2018年も同39%増の成長が見込まれている。長期的な価格高騰により、世界市場でのDRAMの売上高は、この2年で約2.5倍ほど上昇したことになる。
ここ数年のDRAM市場の推移を見ると、2013年および2014年も成長率は全カテゴリ中のトップであった一方、2015年には中間よりやや下位、2016年にはほぼ最下位という激しい波を描いている。2019年もマイナス成長が見込まれており、全カテゴリ中で最下位近くまで成長率が鈍化する見込みであり、需給バランスの大きな変動によるシリコンサイクルが繰り返されている。
業界の一部では、2016年後半から始まったメモリバブルにより、今後は不況知らずの継続した成長が長期に見込めると唱える向きもあり、「スーパーサイクル」という言葉さえ誕生したが、実際にはこのようにシリコンサイクルは厳然と存在していると言える。
世界の3大DRAMサプライヤである韓Samsung Electronics、韓SK Hynix、米Micron Technologyは、価格高騰による2年間の売上高の増加を経て、製造能力を拡大させ、供給量を増やしたため現在のDRAM市場は、高性能製品を中心に供給不足が緩和してきている。
一方のNANDも、DRAM同様に、過去2年の間、大きな成長を遂げてきた。2017年は同53%増となったほか、年初から価格下落が続く2018年も需要の拡大が続いているため、同18%増となる見通しだ。スマートフォンなどモバイルアプリケーションが引き続き需要のけん引役となっているが、それに加えて従来のHDDを置き換えるSSDなども市場の拡大が続いていることが背景にある。