Recorded Futureは12月14日(米国時間)、「The Unfolding History of Japanese-Speaking Underground Communities」において、日本語でやり取りが行われているアンダーグラウンドコミュニティのこれまでの変遷をまとめるとともに、今後の活動予測などを伝えた。

日本語でやり取りが行われているアンダーグラウンドコミュニティの特徴は次のとおり。

  • 日本のアンダーグラウンドコミュニティは中国語、英語、ロシア語ベースのアンダーグラウンドコミュニティと比較するとそれほど成熟していない。しかし、日本人ハッカーと海外ハッカーの間でのやり取りが増加しており、今後日本人ハッカーの数が増加するとともに洗練されていく可能性が高いと見られる。

  • アンダーグラウンドコンテンツでは主に違法薬物の売買が行われている。英語ベースのアンダーグラウンドコミュニティでは売買専用のマーケットサイトが使われているが、日本では掲示板やフォーラムの中に販売用のスレッドが立てられ、後は個人間で電子メールやり取りなどを通じて売買が行われている。

  • 英語、ロシア語、またはそれ以外の言語ベースコミュニティと異なり、Bitcoinによる支払いはそれほど普及しておらず、代わりにAmazonギフトカードやiTunesギフトカードが使われている。

  • 英語ベースのフォーラムの中の一部に日本語のコミュニティが形成されることがあるほか、日本のハッカーは自分で開発したツールではなく外部のハッキングコミュニティによって採用されたツールを利用する傾向が見られる。

日本のアンダーグラウンドコミュニティの始まりとしては、あやしいわーるどが紹介されている。続いて、1999年に生まれた2ちゃんねる、2001年に生まれたパスワード解析ツール「黒木葉子」、現在の日本語圏最大のアンダーグラウンドコミュニティ「Onionちゃんねる」などが紹介されている。

  • Onionちゃんねる - 資料: Recorded Future提供

    Onionちゃんねる - 資料: Recorded Future提供

世界中にアンダーグラウンドコミュニティが存在しているが、記事では、世界でも技術的な先進国の1つである日本で独自のアンダーグラウンドコミュニティが形成されることは驚くことではないと指摘。日本のアンダーグラウンドコミュニティは協調性の高い匿名フォーラムと、海外のフォーラムメンバーとの積極的な情報交換で成り立っていると説明している。