ポーランドのカトウィツェで2日開幕し、14日までの日程で開催中の国連気候変動枠組み条約(UNFCC)第24回締約国会議(COP24)は11日から閣僚級会合が始まった。環境省関係者らによると、10日までの各国の事務レベル交渉では、地球温暖化防止の国際枠組み「パリ協定」の運用で極めて重要な「実施ルール」づくりで先進国と発展途上国が激しく対立。最終日までの閣僚級会合で実行性が高いルールで合意できるかどうか厳しい状況になっている。

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    COP24のロゴマーク(提供・UNFCC/COP24事務局)

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    ポーランド・カトウィツェで開催中のCOP24の様子(提供・UNFCC/COP24事務局)

環境省と国内の環境団体、環境研究機関の関係者によると、10日までの会期前半は作業部会で事務レベルの協議を続けた。その内容をまとめた文書が各国に提示されたが、最重要議題である実施ルールづくりなどで具体的な進展がないまま閣僚級会合に移った。先進国と発展途上国の間でルールに差をつけるかどうかの議論で激しく対立しているという。閣僚級会合には日本から原田義昭環境相が参加している。

パリ協定は、京都議定書に代わる国際枠組として2015年12月に採択され、20年に始まる。協定は今世紀後半に世界の温室効果ガスの排出を実質ゼロにして、産業革命前からの気温上昇を2度未満、できれば1.5度に抑えることを目指している。協定に批准した全ての国がそれぞれに排出削減目標を決めて国内対策に取り組み、5年ごとに検証することなどを求めている。しかし、実際に温室効果ガス排出削減につながる具体的なルールはまだできておらず、今回の会議が交渉期限になっている。16年11月に協定が発効した後も準備会合などが断続的に開かれて参加各国が一致して排出削減する方向で機運が高まっていたが、その最中の昨年6月にトランプ米大統領が協定からの離脱を表明している。

カトウィツェの会議場から詳しい情報を得た関係者によると、発展途上国の多くは、これまで長い間大量に排出して発展を遂げた先進国により厳しく、途上国に緩い実施ルールにすべきと主張。一方先進国側は、国によって温度はあるものの、今後発展途上国の排出量が増えるために途上国にも厳しい実施ルールにしないと温暖化は抑えられないとの立場で双方の主張が対立。ルールの項目の中でも目標の達成状況を示すデータの扱いや途上国向け資金援助などに関して特に主張の隔たりが大きいという。

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