JFEスチールは12月11日、日本電気(NEC)およびNECソリューションイノベータとともに、AIによる画像認識技術を製鉄所における作業者の安全行動サポートに活用する技術を開発し、導入を決定したことを発表した。

  • AI画像認識による安全行動サポート技術の概要

    AI画像認識による安全行動サポート技術の概要

JFEスチールによれば、AIによる画像認識技術を活用した人物検知による安全リスクへの対応等の事例は数多くあるものの、製鉄所の工場内は場所によって照明条件が異なるため、多種多様な装置が配置されていることに加え、作業者も様々な姿勢で作業を行うため、人物検知そのものが困難であったという。

そこで、NECおよびNECソリューションイノベータのエンジンを活用し、大量の人物画像を撮像してディープラーニングによって学習させることで、実用レベルの人物検知を実現。条件によって立ち入り禁止エリアが変化する特殊な工場内においても、AIが正しくエリアを認識する技術を確立した。この技術を核として、立ち入り禁止エリアに作業者が進入してしまった場合に、AIが警報を発するとともに自動でラインを停止させるシステムを実現した。

  • 様々な作業姿勢への対応

    様々な作業姿勢への対応

このシステムは、既にJFEスチールの知多製造所(愛知県半田市)の中径シームレス管工場に導入され、有効性が確認できたことから、2019年より全社展開する予定だという。

なお、同社によれば、製鉄所における安全推進に関するAIを活用した画像認識技術の適用は、国内業界では初の取り組みだということだ。