グレイステクノロジーは5日、MRを使用して音声でユーザーを誘導する次世代型のマニュアル「GRACE VISION」のプロタイプを発表した。
同社はマニュアル制作専門としての歴史を誇る企業で、前身となる日本マニュアルセンターの1984年創業以来、33年間で1,800社、25,000冊のマニュアル制作の実績を持つ。専門的な技術の理解と展開が必要となる大手メーカーの技術マニュアルなどを作り続けており、2001年にはマニュアルのポータルサイト「e-manual」をローンチしクラウドによるマニュアル作成・管理を行えるサービスとして展開。今年の8月に東京証券取引所に上場している。
今回発表されたプロトタイプ「GRACE VISION」は、"見ない、読まない、理解しない"をコンセプトにMRデバイスを装着してAIなど音声で会話しながら、その指示に従うことでマニュアルなしでもメンテナンス作業などの業務を行う近未来の実現を思わせるものだ。
公式サイトにはGRACE VISIONの情報が掲載されているが、利用されるAIは形状認識性能を持ち、様々な使用部品から的確な部品を発見できるほか、別の作業員とデバイスを通した会話もできるので作業状況の確認も可能。利用者のレベルに合わせて新人向けのAIが常に誘導する「オペレーションモード」と経験のあるベテラン向きの誘導不要な「監視モード」の二つのモードがあり、作業が終了した後のレポートの作成も言葉による指示だけで作成、カメラ映像の記録を元に内容の検証まで行う。
同社はこれまでのマニュアル制作のノウハウと最新のAIとMRテクノロジーが組み合わさり今回の「GRACE VISION」の開発へとつながったことを述べており、代表取締役の松村 幸治氏は「今後は様々なデバイスや言語でAIマニュアルが実現し、ますます可能性が広まる」と同製品が提案する新しいマニュアルの将来性についてコメントしている。