どの業界も先進的なユーザーが多い日本

Amazon Web Servicesのサービスは世界中で提供されている。先日、米国で開催された年次イベント「AWS re:Invent 2018」において、Amazon Web ServicesでDirector of Worldwide Solutions Architectureを務めるGlenn Gore氏にインタビューをする機会を得た。そこで、世界と比較して、日本の利用状況はどのような特徴があるのかについて聞いてみた。

  • Amazon Web Services、Director of Worldwide Solutions Architecture、Glenn Gore氏

    Amazon Web Services、Director of Worldwide Solutions Architecture Glenn Gore氏

Gore氏によると、「日本は先進的なユーザーが多い」という印象を持っているという。さらに、どの業界も一定の割合でAWSを利用しているという特徴があるそうだ。つまり、特定の業界がAWSを利用しているのではなく、あらゆる業界においてAWSが利用されているというわけだ。さらに、それぞれの業界の先進的な企業が、同社の最新技術を積極的に活用しているという状況のようだ。

そのほか、Gore氏は日本における特徴的な動向として、以下を挙げていた。

  • 大企業が大規模データ分析やビックデータ処理を行っている
  • 社会基盤としてすでに高速インターネットが国中に行き渡っているせいか、ITのコンシューマー化が最も進んでいる
  • モバイルファーストでの取り組みが進んでいるほか、仮想現実や現実拡張といった取り組みが進んでいる
  • 拡張現実(AR:Augmented Reality)は製造業において利用が進んでおり、クオリティコントロールなどに使われている
  • ゲーム技術が先進的であり、特にモバイルゲームのイノベーションは日本で起こっている
  • 電子ヘルスの取り組みが活発である
  • ロボティックスが進んでいる

「個々のユーザーのレベルが高く、最新の取り組みを積極的に進めている」というのが、Gore氏から見た日本のユーザーの特徴のようだった。

先日発表があった、人工衛星との通信プラットフォームを実現するサービス「AWS Ground Station」だが、最初の基地局の構築は米国内で進められているという。来年に向けて基地局の数は12個まで増やされるようだが、その中に日本が含まれているかどうかは確認できなかった。また、基調講演で発表された、テキストを抽出するサービスAmazon Textractに関しても、日本語に対応しているかどうかの確認はとれておらず、今後の発表が待たれる。