12月4日から7日にかけて、東京国際フォーラムでコンピュータグラフィック・インタラクティブ技術のイベント「第11回シーグラフアジア 2018」が開催されている。毎年、夏に北米、冬にアジアでカンファレンスが開催されているイベントだ。日本では2009年に横浜、2015年に神戸で開催されているが、東京で開催されるのは今回が初めてとなる。
シーグラフではコンピュータグラフィックに関する論文が発表されるほか、新しいプロダクトや研究開発段階の成果物などの展示や発表が行われている。シーグラフで発表される技術は後に製品化されたり、既存のプロダクトに新しい技術として取り込まれたりすることが多く、シーグラフに参加することで向こう数年間のコンピュータグラフィックおよびインタラクティブ技術の動向を感じることができる。
さまざまな製品に利用されているAIと機械学習
展示会場では、現在提供されているプロダクトを見ることもできれば、今後発表される予定になっている、または技術開発や研究の段階にあるプロトタイプに触れることもできる。
今回、展示を見ての印象は、人工知能技術や機械学習はすでにさまざまなシーンで使われているというものだった。この流れは今後ますます強くなりそうだ。もはや、人工知能技術や機械学習は特定の分野で使われるものではなくなってきているようだ。
開発中のプロダクトとしてはBRAIN MAGICのOrbital 2が目を引いた。Orbital 2はキーボードショートカットをジョイスティック風デバイスで操作できるようにするもので、コンピュータグラフィックを制作する時の効率を大幅に向上してくれる。近いうちに製品としての販売されるということだった。
研究開発段階にある技術に関しては、本当にプロダクトとして登場するかどうか不明なものもあるが、研究開発のトレンドがどういうジャンルにあるのかを知ることができて興味深い。
来年のシーグラフアジアはオーストラリアのブリスベンで開催
シーグラフアジアは2008年にシンガポールで開催され、以降は日本を含め韓国、台湾、中国、マカオ、バンコクなどで開催されている。開催時期が冬と決まっているため、この時期にある程度の規模の会場が確保できた都市で開催されているようだ。来年はオーストラリアのブリスベンでの開催が決まっている。
今回東京で開催できた拝啓には、2年前にたまたまこの時期に東京国際フォーラムの予約にキャンセルが出て会場が確保できたことが大きかったという説明があった。次にシーグラフアジアが東京で開催されるのは何年後になるかわからない。興味がある方はぜひこの機会に会場を訪れておかれてはどうか。