NTTデータは12月5日、複数の地方公共団体とともに業務効率化に向けた企画開発の一環として、実帳票を用いたAI-OCRの読取率検証を実施すると発表した。

今回の効果検証では、AI insideのAI-OCRソリューション「DX Suite」とRPAソリューション「WinActor」を活用し、茨城県つくば市をはじめとした地方公共団体で実際に使用している帳票などを読み取った場合の読取率を確認。

同社が5月に成果報告したつくば市とのRPA活用に関する共同研究では、地方公共団体におけるRPAの活用促進の課題の1つに、大量に保管している紙書類のデジタル化が挙げている。

この課題への対応策として、同社では紙の各種帳票をAI-OCRで電子化し、RPAソリューションと連携させる地方公共団体向けサービスを検討している。今回、その一部の実用性を検証するため12月~2019年2月の期間でつくば市、東京都町田市、神奈川県横浜市、福岡市、福島県郡山市、千葉県市川市とRPAの導入を実施または検証中の地方公共団体より実帳票を受領し、AI-OCRの読取率検証を開始することとした。

対象の帳票については、各地方公共団体より、手書き/印字の別、あるいは定型/非定型を問わず、特定の業務に偏ることなく、幅広い業務のものを受領し、さまざまなバリエーションについて実証する予定。一方、帳票数が多く業務量が多いもの、手入力後RPAによる自動処理を適用できそうなものなどの観点についても考慮する。

つくば市は給与支払報告書、出生届など、、町田市は介護保険認定申請書、国民健康保険療養費支給申請書など、横浜市は妊婦健康診査費用助成申請書、納入済通知書など、福岡市は就学援助の申請書、給与支払報告書など、郡山市は保育の利用申込書など、市川市は児童手当・特例給付認定請求書などを対象としている。

今後、実証の結果を2018年度末をめどに公開し、各地方公共団体における当該ソリューションの有効性を示すとともに、申請書のデジタル化に伴う業務量削減効果の測定結果など、具体的な導入につながる情報提供の実施を予定。また、NTTデータが開発中のRPAとAI-OCRとの連動シナリオを用いた効果検証についても実施し、発表を予定している。