NTTデータは12月4日、事業環境の変化に対応するために専門性の高い外部人材を採用するAdvanced Professional(ADP)制度を新設したと発表した。

ADP制度ではAIやIoT、クラウド、セキュリティにおけるエンジニアやデータサイエンティスト、コンサルティングといった高度な専門知識や技術を習得している人材を外部から市場価値に応じた報酬で採用する仕組み。

  • Advanced Professional(ADP)制度の概要

    Advanced Professional(ADP)制度の概要

NTTデータ 代表取締役副社長執行役員 人事本部長の柳圭一郎氏は「主に先進技術や新領域の分野においてスキルの高い人材を採用するほか、新卒に関しても最先端テクノロジー専攻やポスドクなどを採用し、戦略的重要性と市場特殊性を持つ人材を確保するための制度だ」と述べた。

  • NTTデータ 代表取締役副社長執行役員 人事本部長の柳圭一郎氏

    NTTデータ 代表取締役副社長執行役員 人事本部長の柳圭一郎氏

また、外部からの人材確保という即効性を求める一方で、国内外の分野トップクラスの研究者・技術者や、先進的なサービスの開拓や市場化をリードした経験・実績をもつプレーヤーが、顧客特性やIT開発を熟知した社内メンバーとコラボレーションすることにより、互いに良い影響を与えることにも期待しているという。

コアターゲットは経営戦略・社会デザイン、サービス・ビジネスデザイン、業務コンサル、AIなどの人材であり、データサイエンティスト/アナリティクス、IoT/組み込み、クラウド、ITアーキテクト、セキュリティについては外部採用もするが、社内人材の育成で充足を目指す。これにより、同社はPMANG開発基盤運用/保守と上流/先進技術の人材を2021年に1800人を計画している。

  • 獲得を目指すターゲットの概要

    獲得を目指すターゲットの概要

特にADP人材とともに社会の課題解決に取り組むことで、社員の育成も促され、当社の未開拓分野での発展をさらに伸張させていく考えだ。雇用形態に関しては正社員、契約社員をはじめ、柔軟に検討していく。

報酬に関しては、KPI達成度をSTI(Short - Term Incentive)に反映させるため、固定給と業績給の割合が比較的同程度の水準になることもあり、場合によってはLTI(Long - Term Incentive)の設定も可能。しかし、低評価が続けば固定給が逓減することもあるが、一定以上の成果で回復することができる。なお、報酬の上限は設けておらず、採用する人材により水準は変動するという。

  • 報酬の概要

    報酬の概要

柳氏は「人事給与制度の考え方はグローバルへのシフトを検討する必要があるため、日本人社員に対しても外資系企業の制度を導入する」と、強調していた。

ITサービス企業には、新規IT構築のみならず、既存ITのデータ活用・分析から、ソリューションの提案まで一括して請け負える体制の構築が求められていく流れにあるという。そのため同社では今後、従来はコアと位置づけていなかった領域においてもバリューを発揮できるよう、社内教育プログラムおよび社内資格制度「プロフェッショナルCDP制度」を進化させ、事業拡大に資する対応力を強化するという。