ワコムは29日、学校法人新潟総合学園新潟医療福祉大学とコクヨと共に製品を用いたた認知症初期の簡易検査研究の協力を行うことを発表した。

アナログ時計の文字盤を描き、指定された時刻の針を描く「時計描画試験/CDT((Clock Drawing Test)」。記憶力や判断力の測定などに用いられるテストは、高齢者ドライバーの認知機能検査などにも利用されているが、この時計描画をデジタル化することでより多くの情報が取得できるようになる。ワコムは、同社も技術協力を行うコクヨの「電子下敷」とともに児玉直樹教授の認知症初期の簡易検査研究で協力する。

  • 時計描画試験の例(10時10分)/ワコム資料より

    時計描画試験の例(10時10分)/ワコム資料より

  • 電子下敷による筆記イメージ(ワコム資料より)

    電子下敷による筆記イメージ(ワコム資料より)

通常の時計描画試験では、どの程度正確に記述できるかを書き終わった時計の結果を判断材料とするが、手書きを瞬時にデジタル変換できる入力支援ツール「電子下敷」を用いることで、筆圧、方向、速度などペンの動きでその経過もデータ化できるため、これらの情報を用いることでより精密な検査に貢献できる可能性がある。コクヨが展開する手書き入力支援ツールは、盤面がセンサーであるボード(下敷き)と専用ペンと紙帳票で筆跡座標データを捕捉、アプリやクラウドを通じて即時にデジタル化できる。紙での記入というこれまでの流れで検査が可能な一方、検査者が筆記のデータを得ることができるようになる。