NTTドコモとNECは11月30日、訪日外国人旅行者に対する音声観光ガイドサービスの実証実験を10月11日から近年外国人旅行者にも人気のスポットになっている東京都の谷中、根津、千駄木エリアで実施したと発表した。
外国人旅行者が日本を観光する際、ツアーガイドを帯同しない個人旅行者は観光地の見どころや、おすすめスポットなどの情報を手元のスマートフォンで検索しながら観光をするため、観光に集中しにくいといった課題があるという。
こうした課題を踏まえ、両社はスマートフォンと連携したイヤホンデバイスの音声UI(ユーザーインタフェース)を活用し、外国人旅行者がハンズフリーで観光地の情報を得ることができる観光ガイドサービスの共創に取り組んでいる。
実証実験では、音声ガイダンスによる観光情報提供でスマートフォンやタブレットなどの画面を注視することなく、観光資源の魅力を直接肌で感じれるサービスのほか、通訳案内士による遠隔観光サポートで安心・安全な旅行を支援するサービスを提供。
外国人200人にイヤホンデバイスおよびスマートフォンを貸出、音声観光ガイドサービスを提供。具体的には、音声UIを活用した観光情報通信(対応言語は英語)では、あらかじめ登録された役50カ所の観光スポットに近づくと、イヤホンを通じて自動音声ガイダンスが流れ、観光スポットへの気付きを提供したほか、より臨場感のある新しい音声体験として音の方向性や距離感がわかる音響AR体験を提供した。
また、通訳案内士による観光サポートとして高度な外国語能力や日本全国の歴史・チリ・文化などの観光に関する知識を有する通訳案内士が観光中のアドバイスや困りごとの解決を通話やメッセージで遠隔支援した。
結果として、ポジティブな意見も多く、サービスに対する受容性が高いことを確認した。両社は2020年を見据え、今回得られた外国人旅行者の期待や要望、改善点なども踏まえ、今後もドコモのモバイルサービスに関する知見、NECのICTノウハウを活用し、インバウンド領域での商用化に向けたサービス開発や実証実験など共創活動を推進していく考えだ。