Top500における中国の躍進は著しいが、それに合わせてSC18での中国の展示も以前と比べて増えてきていた。最初に掲げるのは中国が誇る太湖之光を擁する無錫スパコンセンターと天河2Aを擁する広州スパコンセンターの展示である。
ただし、両スパコンとも登場は数年前であり、今回の展示に新味はない。
メーカーの展示で意欲的であったのはSugonである。計算ノードを沸騰液冷する「Sugon Nebula」を展示していた。沸騰液冷は後出のAllied Controlは以前から展示しているが、Sugon Nebulaは計算ノードボードをアクリルのような透明なケースに入れ、それをバックパネルに挿入すると、冷媒のコネクタと電源や電気信号のコネクタが繋がるというものである。写真に写っている男性の前の白い部分が計算ノードが差し込まれる部分で、オリジナルの写真ではコネクタなどが見える。
通常の液浸では、ある程度の単位で引き上げて乾燥させてから、故障したボードを交換するというような手順になるが、Sugon Nebulaでは1枚のボードを引き抜くことができ、簡単、修理を行うことができる。このような機能を持つ液冷マシンは初めてである。
ただし、通常はインタコネクトの切り替えで故障ノードを切り離して、代替ノードを組み込むなどして使用を継続できる状態にしてから、物理的に故障ノードを取り出すので、運用上、ボード1枚単位で抜けることがどの程度便利であるかには疑問もある。
Allied Controlは仮想通貨のマイニングなどに使う高発熱のサーバの冷却を行う沸騰を使う2相の浸漬液冷を行っており、沸騰冷却には世界で一番経験のある会社であると思われる。
スマホでお馴染みのHuaweiはHPCでも頑張っている。
また、IBMのx86サーバのビジネスを買収したLenovoはHPCサーバを中国だけでなく、世界的に販売している。
Inspur(浪潮)も中国の主要コンピュータ会社で、ハードウェアの開発、販売だけでなく、ソフトウェアの開発、販売、クラウドサービスの提供も手がける。
ということで、中国の出展は研究所が2か所、メーカーが5社であり、メーカーは日本と同程度、研究所や大学の出展は圧倒的に少なかった。