キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)、亀山電機、toor、サイバネットシステムの4社は11月27日、ベルトコンベアの予知保全システムのPoCを実施すると発表した。

  • ベルトコンベア予知保全システム

    ベルトコンベア予知保全システム

今回のPoCでは、ベルトコンベアに取り付けた温度および振動などのセンサ情報に加え、ベルトの状態の2Dおよび3D画像をIoTで取得・分析し、正常運用時との変化を可視化(MAP化)し、その結果(MAP)をモニタリングすることで、故障につながる予兆を検知。センサ情報と画像の特徴データを合わせ200以上の要素数となる多変量データを統合し、機器全体の稼働状況を俯瞰できる新たなMAP化手法を取り入れた。

また、同手法により日々の機器の状態監視に加え、経年劣化に伴う状態の変化も可視化できるため、機器の区別なく一定周期で行っていたメンテナンスを個々の機器の状態に応じて必要な時期に実施でき、故障発生リスクの低減、メンテナンスコストの最適化につなげられるという。

各社の役割について、キヤノンITSは画像取得、分析、特徴抽出を担当し、予知保全のモデルMAPを作成するためのIoT技術の1つとして、対象ワークに合わせた2D/3Dカメラ撮像制御技術および、取得した画像データからの特徴量抽出処理手法を提案するほか、画像特徴量やセンサ情報に対し、分析に適したクレンジング技術によりデータ化を支援する。

亀山電機はPoC主体と事業化検討を担当し、予知保全の実現のためにシステムインテグレーターとして、身近となったIoT技術により計測データ、制御データ、各種センサから収集した多様なデータを集約、MAP化、画像解析技術を組み合わせて、遠隔監視・操作、予知保全のIoTシステムを提案。12月にはビッグデータに関する専用マーケティングサイトの公開を予定している。

サイバネットはビッグデータ可視化/分析システム「BIGDAT@Viewer」を提供し、IoTで収集したセンサ情報や2D/3D画像の特徴データから、日々の正常稼働状態のMAPを作成する。正常状態のMAP上に新たに取得したデータをプロッティングすることにより、正常時との比較をMAP上で行う。

toorは、BIGDAT@ViewerにおけるMAP作成処理と特徴量抽出処理を司るビッグデータ解析エンジン「toorPIA」を提供するとともに、PoC向けに既存MAP上へ新たにセンサなどIoTから取得したデータをリアルタイムプロットするためのエッジコンピューティング「toorPIA Edge」を提供する。

なお、亀山電機は今回のベースとなる各社の技術を利用した機器の故障予知保全サービスを、2019年度より開始する予定だ。