アジレント・テクノロジーは、医薬品、生化学、食品、材料科学分野向けに、短時間で鮮明なケミカルイメージを得ることが可能な分析システム「Agilent 8700 Laser Direct Infrared (LDIR) ケミカルイメージングシステム」を発表した。

同システムは、独自の量子カスケードレーザー(Quantum Cascade Laser:QCL)を光源とし、高速スキャン系と組み合わせることで、高性能化と高品質化の両立を実現。スペクトルを数秒で採取することを可能としたほか、狭い対象領域に集光できるため、シャープかつ高解像度なケミカルイメージングが可能となったとのことで、ピクセルサイズとしては0.1μm(ATRイメージング機能時)とする。

  • Agilent 8700の概要

    Agilent 8700 LDIRケミカルイメージングシステムの概要 (資料提供:アジレント)

また、ATRモードの完全自動化や、自動バックグラウンド機能などの機能のほか、直観的に使用できるAgilent Clarityソフトウェアを利用することで、短期間での利用方法の習得や、サンプルの自動分析を容易に行なうことが可能となっている。

例えば3種類のAPIと4種類の賦形剤を含有する一般的な頭痛薬の錠剤(11mm)のイメージの場合、ピクセルサイズ10μmでの測定を1時間未満で完了させることが可能とするほか、結晶多形スクリーニングとして、13mmの圧縮サンプルをピクセルサイズ10μmで測定した場合27分で完了できたとする。

  • 錠剤のイメージング例

    錠剤のイメージング例 (資料提供:アジレント)

  • 結晶多形スクリーニングの例

    結晶多形スクリーニングの例 (資料提供:アジレント)

なお、同システムには錠剤の表面をフラットにする前処理装置なども用意されており、すでに受注を開始済み。出荷は2019年4月以降を予定しているという。