米航空宇宙局(NASA)の無人探査機「インサイト」が米国東部時間26日午後(日本時間27日午前)、火星への着陸に成功した。NASAが日本時間27日午前発表した。

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    火星に接近する「インサイト」の想像図(提供・NASA / JPL-Caltech)

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    パラシュートで火星表面に降下する「インサイト」の想像図(提供・NASA / JPL-Caltech)

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    「インサイト」が火星に着陸する前に撮影した地表面(提供・NASA / JPL-Caltech)

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    米カリフォルニア州パサデナにあるNASAジェット推進研究所(JPL)で「インサイト」の火星着陸成功に喜ぶNASAの関係者 (提供・NASA / JPL-Caltech)

インサイトは今後約2年間、これまで謎が多かった、火星の内部構造などを初めて探る。NASAによると、インサイトは5月に米国カリフォルニア州のバンデンバーグ空軍基地からアトラス5ロケットで打ち上げられ、火星に向かって約4億8000万キロの飛行を続けていた。インサイトの機体は耐熱材に覆われており、火星の高度125キロの上空に到達後大気圏に突入。パラシュートを開いて降下し、減速エンジンを火星の地表面に向け噴射しながら火星の赤道付近にある平原に無事着陸したという。

インサイトには地震計と熱流量計が搭載されている。今後太陽電池パネルを展開して電力源を確保。着陸地点で先端にカメラがついたロボットアームを駆使して、地震計を設置するほか、深さ約5メートルに熱流量計を打ち込む。これらの観測機器を点検した後、本格的な探査作業を始める計画だ。

火星は地球同様に岩石質の惑星だが、地球深部にあるプレートの活動は既に終わっているとみられている。しかし太陽系の惑星の中で最も高い標高約2万メートルにも及ぶオリンポス山などの巨大な山があり、なぜこのような特徴的な地形ができたかなど多くの謎に包まれている。

NASAや日本の国立天文台によると、地震計は地震波の伝わり方を観測して火星内部がどのような物質でできているかを調べる。また熱流量計は内部の熱の伝わり方や熱環境を調べることにより、火星内部がどのように変化したかを探るという。

火星探査は1960年代から米国と当時のソ連により始まり、その後欧州や中国、インドなども参入。これまで多くの探査機が火星の謎解きに挑戦してきた。しかし大気が薄く大気との摩擦を使って減速するなどの制御が難しいことなどから失敗例が多い。日本も1998年に火星探査機「のぞみ」を打ち上げ、2003年に火星まで約1000キロまで接近したものの火星周回軌道には入れなかった。こうした中でNASAは1997年に探査機「マーズ・パスファインダー」を火星表面に着陸させることに成功。火星の鮮明画像を地上に送信したほか、探査車が岩石などを採取した。このように成功、失敗が相半ばした長い火星探査の歴史の中でも内部の構造を調べる探査計画はこれまでなかった。

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