ルネサス エレクトロニクスは11月27日、コストを重視した低消費電力な産業IoT(IIoT)向けの、フロー制御メータ、マルチセンサシステム、計装システム、単相電力量計などのセンサ用途向けに、Renesas SynergyのS1マイコンシリーズとして、高度に設定可能なアナログ機能とセキュリティ機能を統合した低消費電力マイコン「S1JAグループ」を発表した。
同グループは、48MHz駆動のArm Cortex®-M23コアを搭載し、32ピンQFP、36ピンBGA、40ピンQFN、48ピンQFN、64ピンLQFPの5種類のパッケージ品を用意。最大256KBのフラッシュメモリと最大32KBのSRAM、動作電圧範囲は1.6Vから5.5Vに対応しており、外部センサに正確な電力を供給するセンサバイアスユニットのほか、高度に設定可能なアナログ機能を内蔵しており、複雑なアルゴリズムを処理する信号整形処理や、正確なアナログ計測が可能となっている。
また、オンチップのアナログコンポーネントとしては、高精度の16ビットA/Dコンバータ、24ビットのΔΣA/Dコンバータ、高速応答の12ビットD/Aコンバータ、レール・ツー・レールの低オフセットオペアンプ、および高速/省電力のコンパレータを搭載しており、高度なアナログ設定が可能。これにより、組込機器の設計時に、外付けのアナログ部品点数を削減でき、部品コストの削減ならびに基板サイズの縮小を図ることが可能となる。
さらに、ソフトウェアスタンバイモードの消費電流は500nAで、スリープモードで長時間スタンバイする機器の場合、20年のバッテリ寿命も可能になるという。
なお、同グループならびにターゲットボードキット「TB-S1JA」はすでに入手可能で、S1JAグループと、同社の電圧リファレンスやRS-485/RS-422差動トランシーバなどと組み合わせることで、産業用センサに活用することができるという。