NTTは11月26日、存在を意識させることなく周囲になじむ電池として、光透過性を有する「透ける電池」を作製し、電池動作を確認したと発表した。
現在、IoTが普及する中、デバイスの存在感を抑えるため「小型化」「軽量化」などの取り組みが進められてきたが、同社はさらに新たな観点として、「透ける」「透明」に着目し、存在を感じさせないデバイス作製の可能性を探索するため、光の透過性を訴求した電池の研究開発を行ってきた。
具体的には、光透過性の観点で電池を構成する材料と構造に着目し、入射光の吸収と反射を抑制する技術開発を行い、存在感なく周囲に馴染むデバイスを目指したという。
開発した電池は1辺が9cm×5cmの長方形で、市販LEDに接続したところ、5分間の点灯を確認したという。
性能として、光透過特性を分光光度計により評価したところ、平均約25%の透過率を有していることを確認したが、これは、向こう側が透けて見える一般的なサングラスの透過率に相当する。
「透ける電池」は従来の電池では適用困難だった領域に、広く適用できる可能性があり、研究開発が進んでいる透明に関する技術分野(情報表示端末分野のディスプレイ、建物の窓などの建材分野の太陽光発電素子など)と組み合わせることで、IoTの新たな可能性拡大につながると同社では見ている。