ヤマトオートワークスは11月26日、人と車両の健康状態をIoT活用でチェックし、数値化・デジタル化したデータによる管理を通じて、事故のない社会を実現する「スマート点呼」を運送事業会社向けに開発したと発表した。

運送事業会社では日々、安全で事故のない運行を実現するため、運行前後に車両のブレーキペダルやランプなどの点検を行う日常点検や、運行管理者とドライバーが対面で日常点検の報告および本人の健康状態の確認などを行うドライバー点呼を実施している。

これらは一定の基準はあるものの、目視や口頭による確認が一般的となっており、運行管理者の経験に左右されることから、その精度が課題となっているという。

そこで同社は、IoTを活用し人と車両の健康状態を計測・数値化したデータを運行管理者のスマートデバイスに自動送信することで、正確・スピーディーに確認することができ、さらにその情報から「点呼記録簿」の作成にもできるスマート点呼を開発。

  • 「スマート点呼」イメージ

    「スマート点呼」イメージ

スマート点呼の情報を同社の整備工場と連携させることで、車両整備まで含めたサービスの提供を可能としている。

  • 「スマート点呼」と整備工場の連携による車両整備サービス

    「スマート点呼」と整備工場の連携による車両整備サービス

これにより、ドライバーの健康起因による交通事故や、日常点検不備による車両故障・事故の軽減や、人・車両の健康状態を確認する時間が短縮され、これまで以上に点呼時の運行管理者とドライバーとの会話時間を創出することを可能としている。

また、日常点検起因の車両整備費用の削減も期待できるという。今後、さらなる実証実験を進め、2019年度中に実用化を目指す考えだ。