サン電子は11月27日、置くだけでIoTや遠隔管理を実現できる「おくだけセンサーソリューション」の販売を開始したことを発表した。
同ソリューションは、実際の導入にはいろいろと壁が立ちはだかるIoTの活用を、手軽に実施してもらうことを目的に、「置くだけで使える」をコンセプトとして開発されたもの。
ハードウェアとしては、同社のLTEマルチキャリア対応LinuxゲートウェイでBluetoothにも対応した「Rooster NSX7002(製品型番:SC-RNSX7002)」と、温度・湿度・照度・加速度・磁気の5種類のセンサを搭載したセンサ子機(型番:SC-COK001)で構成され、すでにペアリングされた状態で出荷されるため、ユーザーは製品が手元に届いたら、センサ子機の電源を入れて、センシングしたい場所に置くだけで利用を開始できる。
また、センサ子機は防水防塵対応(IP65)のため、屋外での使用も可能。無線規格としては、920MHz(サブギガ)帯とBluetooth Low Enegy v5.0(BLE5.0)に対応。発売当初はサブギガ帯もしくはBLE5.0いずれかを選択する必要があるものの、次期ファームウェアのアップデートによりデュアルユースに対応する予定だという。
さらに、ボタン電池(CR2450)1個で駆動が可能。90秒に1回の通信で、約1年間のバッテリー駆動が可能だという(通信頻度は1秒刻みで10~3600秒の間で設定可能)。加えて、単体でのデータロギングも可能。こちらはミリ秒単位でのサンプリングが可能。イベント機能も搭載されているので、通常のデータ収集に加え、何か異変が生じた際(加速度センサを活用した物体が倒れたことを認識するなど)には、イベントモードで何かが生じたことを知らせることも可能だという。
ソリューションとしては、サン電子が提供するIoTプラットフォーム「Bacsoft IoT Platform」を活用することで、パソコンやスマートフォン、タブレットなどのWebブラウザ上でデータの閲覧が可能な「スターターセット(クラウドタイプ)」と、Bacsoft IoT Platformではなく、ユーザーが自前のサーバなどを活用する「基本セット(オンプレタイプ)」の2種類を用意。いずれもセンサ子機3台とゲートウェイ1台が提供される。
価格はいずれもオープンだが、参考価格としてスターターキットはSIMの回線とクラウドの年間契約代を含めた形で、初年度で10万円の中盤程度、次年度以降は3万円程度となる見通しだという。一方の基本セットは、30万円程度の売り切りとなり、提供されるAPIなどを利用してユーザーが自前のシステムなどと連携させる形での利用となる。
なお、同社としては食品業界などを中心に、いままでIoTを活用したいと思いつつも、なかなか勝手が分からずに躊躇してきた業界などに向けて提供していきたいとしており、今後、そうした業界ニーズにマッチしたソリューションの拡張を図っていくとするほか、そうしたソリューションの開発を広くパートナーにも行なってもらうエコシステムの構築も行なっていく予定としており、年内には、そうした販売者側に向けたアナウンスも行ないたいとしており、そうした取り組みを通じて、発売1年間で1000セット以上の販売、ならびに5年後にシリーズ全体で累計5万セットの販売を目指すとしている。