東芝デジタルソリューションズは21日、東芝アナリティクスAI「SATLYS(サトリス)」の高度な分析を多くの顧客に提供するため、同社のAI分析の知見を集積・標準化し、目的ごとに特化させたAI分析サービス「SATLYSKATA(サトリスカタ)」を商品化することを発表した。
その第一弾として、「SATLYSKATA 保守部品在庫最適化」と「SATLYSKATA 作業行動推定」という二つのクラウド分析サービスの提供を開始した。
今回提供を開始する「SATLYSKATA 保守部品在庫最適化」と「SATLYSKATA 作業行動推定」は、どちらも指定データを入力するだけで「SATLYSKATA」がAI分析を行い、結果が出力されるクラウド分析サービスで、AIの専門知識がなくても簡単に利用できる。
「SATLYSKATA 保守部品在庫最適化」では、過去の保守履歴データから保守部品種ごとの故障モデルを作成し、いつごろどれくらいの故障が発生するのかを予測し、最適に在庫を管理して保守部品の在庫最適化を実現できる。これにより、過剰な保守部品の保管や廃棄のコストを削減し、保守の継続性を担保しながら棚卸資産の圧縮が可能となる。同社では、PCサーバーの保守部品管理に適用し、余剰在庫を30%程度削減できたという。
一方の「SATLYSKATA 作業行動推定」では、リストバンドなどのウェアラブルデバイスを用いて、作業者の腕の動きの加速度データから装着者の行動をディープラーニング技術で推定する。東芝ロジスティクスでは、作業の見える化によって課題を掘り下げることにより、物流倉庫のピッキング作業において作業時間を約15%短縮できたということだ。
なお、同社は今後も、東芝アナリティクスAI「SATLYS」の技術レベルの向上と適用分野の拡大を進めるとともに、AI分析サービス「SATLYSKATA」のラインナップも拡充していくとしている。