日立産業制御ソリューションズ(以下、日立産業制御)は11月20日、道路を走行する車の挙動をシミュレーションした2Dアニメーションを作成し、渋滞率などのデータを集計・提示する交通流シミュレーションシステムである「TRAFFICSS」(トラフィックス)に、より精緻なシミュレーション機能を追加した「TRAFFICSS OD Ver3.1」を、日本、中国、東南アジア地域で販売を開始したことを発表した。
「TRAFFICSS OD Ver3.1」を活用することで、国内外の建設コンサルタントやゼネコンの道路施策立案関係者は、信号のない交差点での横断歩行者の挙動や公共交通機関の停車時間も考慮したより現実に近い精緻なシミュレーションに基づき、新規の道路建設や渋滞対策などさまざまな道路施策の効果や課題を定量的かつ視覚的に評価することが可能となる。
従来は信号のある交差点における横断歩行者の交通影響のみをシミュレーションしていたが、 新たに追加された「歩行者干渉機能」により、ラウンドアバウトなどの信号のない交差点においても、横断歩行者の交通影響を考慮した交通流シミュレーションが可能となる。
加えて、公共交通機関利用者影響評価機能により、バスや路面電車、LRT、BRTなどの公共機関における利用者数や支払い方法(現金、ICカード)などの情報を元に停車時間を考慮した交通流シミュレーションも可能となった。
また、日立産業制御はシミュレーション請負業務サービスの一環として、3Dアニメーションを作成・提供していたが、今回、既製の3D地図データを活用することで、実際の街並みに近い、訴求力の高い3Dアニメーションを従来より短期間で提供可能となった。
これは、パソコンやスマートフォン、タブレットなど複数のプラットフォームで動作可能なうえ、ヘッドマウントディスプレイを用いることで、交通流シミュレーション結果を車や路面電車などの視点からVR(仮想現実)で体感できる。これにより、道路施策や施策実行後の生活への影響などについて事業発注者や住民がより理解を深めることが可能だとしている。