Intelの日本法人であるインテルは11月14日~16日にかけて神奈川県・パシフィコ横浜にて開催されている最先端の組込技術、IoT技術にフォーカスした総合技術展「ET&IoT Technology 2018」にて、9月に提供を開始した高性能なコンピュータビジョンアプリケーションやディープラーニングの推論処理をアクセラレートするツールキット「OpenVINO(オープンビーノ)」の紹介を行なっている。
OpenVINOは、同社のAIポートフォリオの中心的な製品の1つに位置づけられており、同社のCPUやGPU、FPGA(Arria 10)、VPU(Movidius)と組み合わせることで、高い推論処理性能を実現することを可能とするもの。CaffeやTensorFlowといった一般的なディープラーニングフレームワークで生成した学習済みモデルデータであっても、ツールキットに含まれるモデル・オプティマイザーを用いて変換するだけで、OpenVINOの推論エンジンで使用するIR(中間表現)モデルデータを作成することができるようになるという。
CPU-GPUやCPU-FPGAといったヘテロな組み合わせでの実行も可能で、その際もプログラム上では、ハードウェアの違いを意識する必要はないという。
会場では、パートナーである台湾IEI IntegrationのArria 10アクセラレータカード「Mustang-F100-A10」を用いたデモなどが行なわれていたが、Stratix 10もPACカードが存在しており、そちらでの使用についてブーススタッフに聞いたところによると、性能が余剰すぎるということで、現時点での対応はなされていないとのことであった。今後、そうしたニーズなどが出てくれば、対応する可能性もあるとのことであったが、推論として利用するには確かにいろいろな意味でオーバースペック気味となることから、実現するとしても、だいぶ先のことになりそうである。