アットマークテクノは11月14日~16日にかけて神奈川県・パシフィコ横浜にて開催されている最先端の組込技術、IoT技術にフォーカスした総合技術展「ET&IoT Technology 2018」にて、IoTを活用することで、ビジネスでの困りごとの解決を可能にするソリューションのデモなどを行っている。
例えば、同社は11月12日付けでエイチアイと組込機器向けHMI/GUIの開発ツール「exbeans UI Conductor SDK(UIC SDK)」の提供に関して協業を発表したが、ブースでもUIC SDKを搭載したArmadillo-640のデモを見ることができる。これにより、比較的安価に組込分野で求められるリッチなUIを手軽に構築することが可能となるという。
また、このほかArmadillo-640向けの水濡れ・手袋タッチOKのLCD(液晶ディスプレイ)オプションも実際に、水が滴る状態でデモが行われている。ちなみにあくまでオプションの液晶ディスプレイが防水仕様であり、Armadillo-640自身は防水でないので、ディスプレイの裏側に隠される形でのデモとなっている。さらに、ディスプレイ関連としては、参考出展として、各種タッチパネルの紹介も行なわれている。タッチパネルそのものはすでに単体で販売されているが、セットでの販売は行なっていないとのことで、展示内容としては参考出展の扱いとしたとのことである。
このほか、新たなビジネス課題の解決に向けたソリューション展示として、「Armadillo-IoTゲートウェイG3」とAWS Greengrassを組み合わせた花屋の切花の在庫管理デモも紹介されている。花屋に行く際、予算と用途を伝えると、店員がお任せで花を選んでくれることが多々あるが、店員の感性で花を選ぶため、厳密にこの花はいくらで、あの花はいくらで、合計XXX円、といった計算はなかなか行なわれない。そのため、原価管理が甘くなってしまう、という課題があるという。今回のデモは、そうした原価管理の精度向上を目指したもので、それぞれの花の重さをAIに学習させ、花瓶の下に重量センサを置くことで、重さの変化を判断し、何の花がどれだけ販売されたか、といったことを見える化することを可能とする。
さらに、AWS Greengrassを活用することで、推論処理をArmadillo-IoTゲートウェイG3上でエッジAIの処理を実現しているため、通信にかかるパケット代も抑えることができるほか、組み込みに不慣れなIT側のSIerなどであっても、システムを構築することが可能になるという。
加えて、スマートフォン(スマホ)と連動させることで、在庫が少なくなった花についてのアラートをスマホに提示することなども可能となっている。
ちなみに、アットマークテクノ自身は組み込みハードウェアのベンダであり、こうしたソリューションの開発は同社のパートナーが担当することとなる。今回のデモについては、スロースネットワークスが開発を担当したとのことで、スロースネットワークスとしては、こうした取り組みを通じて、これまで課題を抱えながらも、なかなかその解決ができなかったビジネス分野での課題解決のサポートなどにつなげていきたいとしていた。