東京急行電鉄と米FRACTAは11月14日、鉄道電気設備の保守管理の質的向上・障害発生時の対応力の向上を目指し、AI(人工知能)を活用した実証実験を行うと発表した。
これまでの鉄道電気設備は、定期的な検査で予防保全を行う手法が主流だったが、障害発生の予測は難しく、効果的な未然防止策の確立が課題となっていた。
今回の実証実験では、AIを活用した水道配管の故障予測手法を確立し、複数の米国水道会社に対し、AI を用いたSaaSを提供しているFRACTA の技術を活用する。
具体的には、鉄道電気設備の電圧・電流値などについて、東急電鉄が蓄積した検査データの統計手法による分析や常時計測データなどの監視の高度化により、障害予防に有効と思われる重要ポイントの推定を行う。
こ れにより検査・更新周期を適正化し、保守管理業務の質的向上を図るとともに、設備障害に関する知見や対応力の向上を図る。
今後は年内を目途に、実証実験対象となる信号・変電などの鉄道電気設備の詳細を決定し、各種データの収集・分析を通じ、2019年末頃までに鉄道電気設備障害に関するアルゴリズムを構築する。
その後、一定期間の実務検証を通じ、アルゴリズムの有効性が検証できた場合は、東急電鉄の鉄道保守の新技術として鉄道電気設備以外へ展開する。