米Amazonは11月13日 (現地時間)、ニューヨーク市とバージニア州アーリントンに第2ヘッドクォーターを設けると発表した。米東海岸の2カ所に合わせて約50億ドルを投じ、5万人以上の雇用を創出する計画だ。
同社は米西海岸にあるシアトルに本社 (第1ヘッドクォーター)を置いているが、事業の拡大に対応するために、新たな事業拠点となる第2ヘッドクォーターを設けると昨年9月に発表、100万人以上の都市から建設地を公募していた。第2ヘッドクォーターは第1ヘッドクォーターに従属するのではなく、同等の事業拠点として機能する。ソフトウエア開発や関連する分野において優れた人材を継続的に確保できること、Amazonの革新的な事業展開をサポートする環境などを条件に挙げていた。
第2ヘッドクォーターが2カ所になったことについては「どちらも優れた才能を集められる魅力ある都市である」と説明している。Amazonは若い才能を集めるために、郊外ではなく、都市中心部へのアクセスが良い場所に事業拠点を置くようにしているが、第2ヘッドクォーターも活気のある都市近くを選択した。
ニューヨーク市の事業拠点はクイーンズ地区ロングアイランドシティに設ける。イーストリバーをはさんでマンハッタン島の東側に位置し、8つの地下鉄路線、13のバス路線でマンハッタンにアクセスしやすく、ラガーディアやJFKといった国際空港も利用しやすい。400万平方フィートのオフィススペースは、800万平方フィートにまで拡張可能。第2ヘッドクォーターによって2万5000人以上の雇用が生まれるとして、Amazonは実績ベースで最大15億2500万ドルの税制優遇や補助金を受けられる。
バージニア州アーリントンの事業拠点は、3つのメトロ駅とロナルド・レーガン空港が近くにあり、ワシントンDCのダウンタウンにもわずか5キロ弱の距離だ。ワシントンDCの風景を楽しめるホテル、レストラン、商業スペースなど施設が充実し、年間を通してスポーツやコンサートといったイベントを楽しめる。平均年収15万ドルで、2万5000人の雇用が生まれるとして、Amazonは最大5億7300万ドルの補助金を受けられる。
Amazonはまた、南部テネシー州ナッシュビルにも物流の効率化やカスタマーサービスを担う拠点「Operations Center of Excellence」を新設し、5000人を雇用する。