ソフトバンクとリコーは11月8日、コンシューマー向けのカメラ機器を使用したライブ映像配信の最適化やリッチコンテンツ化に向けて、第5世代移動通信システム(5G)を使用する映像伝送実験を、両社が共同で2018年10月に実施したと発表した。

  • 映像伝送実験の概要

    映像伝送実験の概要

同実験では、5Gの普及を見据えて、リコーが開発した高精細かつハイフレームレートの撮影が可能というコンパクトサイズの360度ライブカメラを使用して、屋外で撮影した臨場感のある360度映像のリアルタイム伝送と、YouTubeサーバへ同時に映像配信する実験を実施し、成功した。

360度映像をVRヘッドセットで視聴する場合、VR酔いを引き起こすなど映像のちらつきがコンテンツの品質を左右するため、ハイフレームレートの映像が最適だとされているという。一方で、ハイフレームレートの映像の伝送では大容量のデータを伝送する必要があるため、データ通信量が多い環境では、現行の4Gネットワークでは対応できないという課題があった。

実験では、ハイフレームレートの360度映像の伝送と5Gの親和性が確認できたほか、同時にYouTubeサーバへの配信にも成功したことにより、コンシューマー自らが臨場感のあるコンテンツを、5Gネットワークを介して配信できる可能性を確認。

具体的には、東京都港区のソフトバンク本社に映像コントロール用のパソコンを、同社が開設した協働ラボ「5G×IoT Studio」に5G小型端末および360度ライブカメラを設置。カメラで撮影した映像を5Gネットワーク経由でパソコンに伝送し、VRヘッドセットを用いて映像を確認した。

続いて、この構成において、5G小型端末および360度ライブカメラを移動させながら映像を確認したという。さらに、同環境においてソフトバンク本社からYouTubeサーバへ伝送・配信し、YouTube経由及びVRヘッドセットを使用して映像を確認した。

両社は今後も、5Gの時代を見据えて、YouTuberを始めコンシューマーによる映像のライブ配信の最適化やリッチコンテンツ化に向けた取り組みを進めていく。